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5.292018
高齢者のむくみ(浮腫)~原因と対策~
長時間立ちっぱなしだったり、長時間のデスクワークだったりすると、靴が急にきつくなったり、
足がパンパンになったという経験がある人も多いのではないでしょうか。
むくみは医学的には浮腫(ふしゅ)といい、皮膚の上から指で押すとへこんでしばらく元に戻らないのが特徴。
若い方にもみられる症状ですが、高齢者にも非常に多く見られる症状で、高齢者の場合、なんらかの病気によって引き起こされることがあるため注意が必要です。
体内に水分が溜まってしまうむくみは、高齢者の方にもよく起こります。
そこで今回は、高齢者に多い浮腫(むくみ)の原因とその対策について見てみたいと思います。
浮腫の原因
浮腫が起きる原因は様々ですが、特に高齢者に多い原因は大きく2つに分かれ、血液循環の障害による場合と病気の兆候による場合が挙げられます。
① 血液循環の障害による場合
浮腫には、血液の循環が大きく関係しています。
いらなくなった水分は、静脈もしくはリンパ管に戻りますが、血液の循環に問題があると、体に水分が溜まってしまいむくみます。
血液の循環に問題を生む原因としては、
・加齢による心臓機能の低下
・手足の冷え、筋力の低下(運動不足)
・皮膚の張りが弱いので、水分を静脈に押し戻せない
などがあります。
② 病気の兆候による場合
血液循環による浮腫は年をとる、すなわち加齢とともに、誰もがなりうる原因のため大きな病気にはならないですが、病気の一つの症状として浮腫ができている場合は注意が必要です。
代表的な例として腎臓病が挙げられますが、腎臓がうまく機能していないと、血液に老廃物がたまり、血液循環が悪くなり浮腫が発生する場合があります。
また、老廃物や塩分の排出低下に加え、摂取する水分に対して排出する水分の量が極端に減少します。
そうなると、体内に水分が多く残り、浮腫につながります。
浮腫の対策
浮腫の原因が分かったところで、事前に予防できるのなら、予防しておきたい所です。
自宅でも簡単にできる予防、対策を見てみましょう。
①心臓ポンプの働きを向上させる
・ウォーキングをする
・イスに座った状態で足の裏を床に着け、つま先を上下に動かす
・長時間椅子に座る場合には、足の裏を床についている姿勢を保つ
②血液を足から上に押し上げる
・リクライニング式のイスを使い、足を上にする
・昼寝をする
・寝るときには仰向けになり、足全体を上げる姿勢をとる
③冷やさない
・室温や服装を調節する
・足のマッサージをする
④食事のバランスを整える
・塩分を控える
・タンパク質を十分にとる
浮腫の解消方法
むくんでしまったら、まずは冷やさないようにし、そしてマッサージをすると効果的と言われています。
お風呂に入りながらマッサージをするのが更に良いとされますが、入浴が困難な方は、足湯や蒸タオルなどで温めてから行うと良いでしょう。
マッサージは足先から膝にかけて脛(すね)の部分をゆっくりと指圧し、その後、足の側面を優しくさすりましょう。
最後に、柔らかいふくらはぎをほどよい力加減で揉み上げてみて下さい。
むくみ(浮腫)は「少しむくんでいるけど大丈夫だろう」などと軽く考えがちですが、大きな病気のサインの可能性もあります。
このブログを見て少しでも気になる方がいらっしゃれば、まずは病院へ相談して下さい。