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10.232018
~高齢者の住まいとまちづくり~
まちづくりを進めていくにあたり、高齢者にとっての「住まい」は、地域包括ケアの基礎となるものであり、
できる限り住み慣れた地域で住み続けることができるような「住まい」の確保が必要となります。
また、在宅での生活が困難になった場合の「施設」、将来介護が必要となった場合に必要なサービスが提供されることが約束された「住まい」への住み替えなど、個々の高齢者の状況やニーズに沿った選択肢を用意するすることも重要となります。
そこで今回は、大阪市が行っている「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」(2018年度~2020年度)の中から高齢者の住まいとまちづくりについて少し見てみたいと思います。
(1)多様な住まい方の支援
今後、ひとり暮らし高齢者世帯や夫婦のみの高齢者世帯が増加すると予想される中、高齢者が安心して暮らしていけるよう、様々な施設・居住系サービスとの関係を整理し、総合的に高齢者ひとりひとりのニーズに合ったサービスが提供できるよう取組みを進めます。
・ 市営住宅における高齢化への対応や民間住宅への入居円滑化など住宅施策の推進を図るとともに、施設等の整備推進や充実を図り、居住形態・サービスの多様な選択肢の確保に努めます。
・サービス付き高齢者向け住宅については、入居者への適正なサービスの提供など、住宅の登録後も継続してハード・ソフトの登録基準に適合し、適切な生活相談、安否確認等の管理・運営が行われるよう、事業者等への指導を行います。
・高齢者が多様な住まい方を選択することができるよう、「大阪市立住まい情報センター」において、関係団体と連携し、高齢者などに対する住宅相談も含めた様々な情報提供サービスを実施します。
<多様な居住形態・サービス>
①施設等
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、特定施設入居者生活介護、養護老人ホーム、軽費老人ホーム 等
②市営住宅
高齢者世帯向けの入居者募集、高齢者ケア付住宅の入居者募集 等
③民間住宅
サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム 等
(2)居住の安定に向けた支援
・建替えを行う市営住宅については、高齢化対応設計を行うとともに、既存の市営住宅についてもバリアフリー化を推進します。
・高齢者世帯向けの入居者募集や、高齢化が進む市営住宅団地において、団地や地域の活性化につながるコミュニティビジネス等の活動拠点として、NPO等の団体に市営住宅の1階空き住戸を提供するなど、市営住宅における高齢化への対応を進めます。
・民間住宅においては、高齢者をはじめとする住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度に取り組むとともに、「Osakaあんしん住まい推進協議会」に参画し、大阪府及び府下市町村、宅地建物取引業団体等と連携しながら、「大阪あんぜん・あんしん賃貸住宅登録制度」や居住支援法人による居住支援活動の促進に取り組むなど、高齢者の民間賃貸住宅への入居を支援します。
・高齢期における身体機能の低下に対応し、自立や介護に配慮した住宅改修の介護保険給付及び高齢者住宅改修費給付事業を行います。
(3)施設・居住系サービスの推進
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
・現在、新たに入所する方については原則要介護3以上となっていますが、要介護1または2の方であっても、やむを得ない事情により特養以外での生活が著しく困難な場合は、特養への入所が認められており、それぞれの高齢者のニーズにあったサービス提供に努めながら、在宅での生活が困難な方のために必要な施設整備を進めます。
・特養の整備については、社会福祉法人に対して整備補助を行い、できる限り在宅に近い環境の下で生活できるよう、個室・ユニット型で整備を推奨していきますが、プライバシーに配慮した多床室での整備も可能としています。
介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム等の介護保険施設の整備状況や利用ニーズを踏まえて、必要な整備を進めていきます。
介護療養型医療施設及び介護医療院
・医療機能と、生活施設としての機能とを兼ね備えた新たな介護保険施設として創設される「介護医療院」については、介護療養型医療施設等からの転換を進めていきます。
・現行の介護療養型医療施設については、経過措置期間が6年間延長されるため、その間に各施設の意向に沿って転換を進めていきます。
認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
・認知症高齢者の増加に伴うニーズに対応するため、引き続き必要な整備を進めていきます。
特定施設入居者生活介護(地域密着型を含む有料老人ホーム等)
・今後の高齢者人口の増加と多様なニーズに対応するため、引き続き、目標サービスの確保に努めるとともに、サービスの質の確保に向けた事業者の指導を行います。
(4)住まいに対する指導体制の確保
・有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅については、適切な管理・運営が行われるよう、老人福祉法及び高齢者の居住の安定確保に関する法律等に基づき、定期的な立入調査等の指導に引き続き取り組んでいきます。
・法的位置づけのない高齢者用賃貸住宅等の住まいについては、適切な介護サービスの提供確保の観点から、居住者に介護サービスを提供している訪問介護事業者等に対して、引き続き実地指導を行っていきます。
出典:大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(2018(平成30)年度~2020(平成32)年度)
2025年には団塊世代が全て75歳以上となる社会が到来します。
自治体だけでなく、私達自身も高齢者社会をどう捉え、人生設計や社会との関わりをつくっていくのかも真剣に考えていく必要がありそうですね。